映画監督の三宅唱さんがiPhoneを使って撮影したひと月分の映像日記をテキストともにお届けします。仙台、山形、東京・渋谷、香川、京都など日本各地で撮影された今回の映像日記。女子大生に囲まれる場面もあったらしい山形で、そして、建築家の鈴木了二さんたちとともに訪れた金刀比羅宮や京都で、三宅監督が見たものとは――。
映像・文=三宅唱
淡路島の高速道路のトイレに入ったら、窓のむこうに海がみえた。金刀比羅宮(ことひらぐう)からの帰り道だった。
金刀比羅宮とは、「こんぴらさん」とも呼ばれる香川の神社。いつできたのかというと、Wikipediaや公式サイトをざっと読んだ理解では、江戸時代の書物には「すでに三千年ちかいの歴史がある」というようなことも書かれているらしい。1165年には宗徳天皇を合祀する、という史実も。よくわからないが、気が遠くなるかんじ。行く前にちゃんと調べるまで、はっきりいって全然知らなかった。こんぴらさん、、、、食べ物かなんかだとずっと思っていた。
そんな場所に、およそ10年前の2004年、建築家・鈴木了二さんが新たに手を入れている。既存の建物の移設や新たな建築などを含む「金刀比羅宮プロジェクト」がそれ。想像するだけで気が遠くなりそうな、バカでかい仕事だ。2013年には全長96メートルの橋も新たにつくられている。
2018年12月号
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