カーネーションの直枝政広さんがオーディオの工作や改良に奮闘する日々の中で出会った音について綴る『宇宙の柳、たましいの下着』放浪篇です。半年ほど前、真空管PAアンプのジャンク品を手に入れたものの作動しなかった(連載第14回参照)という経験をした直枝さんですが、今度は1950年代末に作られた大型の真空管ラジオをオークションで落札。はたして、この真空管ラジオのスピーカーを通してどんな音が聴こえてくるのでしょうか?




Hi-Fi


文・写真=直枝政広


 A師匠からオークションになかなかの出物があるとの連絡が入った。「大型の真空管ラジオなんですが、内部コンデンサなど交換済みなので安心だし、外部入力がありそうなのでモノラルの真空管アンプ+スピーカーと考えるとメチャ安です」とのことで、それは1958年か1959年頃の日立製作所のHIFIラジオS-565というものだった。真空管のこのような大型のラジオはぼくが生まれた頃に"ハイファイ”と呼ばれて流行ったことは知っていた。中波と短波の2バンドで5球となるとなかなかのパワーである。ラジオには"マジックアイ”という機能があって、ラジオのチューニングがあうと小さな目のようなものが開く。見えないものと繋がる感じはどこか夢がある。神戸のリサイクルショップが出した商品だが、修繕に関する細かい説明もあり、信頼はおけそうだった。師匠がその出品者に問い合わせてくれて、しっかりとPHONOの入力もあることがわかったし、以前、ここで紹介したTOAの真空管のラジオ付きアンプはうまく動作せずそのままだったので、ここはそのリヴェンジと思い、入札してみたら運良く6千円ほどで落札できた。

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