ヒップホップリシー(The Disposable Heroes of Hiphoprisy)『警告!』
文=湯浅学
ヒップホップリシー『警告!』
92年度ヒップホップ/ラップ界最大の収穫(ビースティの3作目に比肩する)。ライヴでのスリルとは別の、ラッピンの切れ味の鋭さと実験精神がしっかりと刻まれている傑作である。フランティの声は世界を冷徹に語っている。ライムを"読む”ために、日本盤を買うがよろしい。(9)
パブリック・エネミー『GREATEST MISSES』
新曲6曲とリミックス5曲にライヴを1曲、だからといって場つなぎ的なものと思わぬように。シリアスで当たり前だが、ガサゴソと新しい展開を探っているような不気味な前兆が音になっている。(8)
フレッシュ・キッド・アイス『チャイナマン』
2ライヴ・クルーの中国系ラッパーの初ソロ・アルバム。抜けのいいスカスカの音、いつも口の端が笑っているようなラッピンで楽しませる。声質が突然ダンボールの兄栄一にちょっと似ている。(7)
『それ行け!マイアミ・ラッパーズ〜ルークレコーズ・オールスターズ』
ルーク関連ラッパーの大行進。ルーク自らがテクノしているのも御愛嬌なのをはじめ、プレサイス・MCとジギー・ジーのおねえちゃんもいいし、ポイズン・クランにバストダウンと、元気なコンピレーションである。(7)
ジェラルド『ドス』
セカンド・アルバム。スパングリッシュも快調で、自信が音に表れているように思う。スッキリとしていながら芯はしっかりしている音作りで親しみ深さたっぷりで、硬軟とりまぜ、芸域も広げている。(7)
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