湯浅学さんの連載「大音海の岸辺」第24回は『ミュージック・マガジン』の「ラップ・ハウス」レヴュー欄に掲載された原稿をおおくりしています。2ページ目はヒップホップリシーやパブリック・エネミー、ダム・マスターXなどの作品が取り上げられた92年11月号~93年2月号掲載のレビューを再録。

ヒップホップリシー(The Disposable Heroes of Hiphoprisy)『警告!』



文=湯浅学


ヒップホップリシー『警告!』
 92年度ヒップホップ/ラップ界最大の収穫(ビースティの3作目に比肩する)。ライヴでのスリルとは別の、ラッピンの切れ味の鋭さと実験精神がしっかりと刻まれている傑作である。フランティの声は世界を冷徹に語っている。ライムを"読む”ために、日本盤を買うがよろしい。(9)

パブリック・エネミー『GREATEST MISSES』
 新曲6曲とリミックス5曲にライヴを1曲、だからといって場つなぎ的なものと思わぬように。シリアスで当たり前だが、ガサゴソと新しい展開を探っているような不気味な前兆が音になっている。(8)

フレッシュ・キッド・アイス『チャイナマン』

 2ライヴ・クルーの中国系ラッパーの初ソロ・アルバム。抜けのいいスカスカの音、いつも口の端が笑っているようなラッピンで楽しませる。声質が突然ダンボールの兄栄一にちょっと似ている。(7)

『それ行け!マイアミ・ラッパーズ〜ルークレコーズ・オールスターズ』

 ルーク関連ラッパーの大行進。ルーク自らがテクノしているのも御愛嬌なのをはじめ、プレサイス・MCとジギー・ジーのおねえちゃんもいいし、ポイズン・クランにバストダウンと、元気なコンピレーションである。(7)

ジェラルド『ドス』
 セカンド・アルバム。スパングリッシュも快調で、自信が音に表れているように思う。スッキリとしていながら芯はしっかりしている音作りで親しみ深さたっぷりで、硬軟とりまぜ、芸域も広げている。(7)

この記事は登録読者だけが閲覧可能な内容を含みます。続きを読むにはPublishers IDによる読者登録が必要です。