boid社長の樋口泰人が日々の仕事やそのなかで夢想する企画などについて記す「幻聴繁盛記」。先週、札幌で爆音上映の翌日にサミュエル・フラーの『ショック集団』『裸のキッス』『チャイナ・ゲイト』が上映されました。これらの作品やフラーの自伝から教えられた生きる態度、あるいは映画の上映活動にも通じることとは――
サミュエル・フラーの特集上映は、2月20日(土)から渋谷・ユーロスペースで、その後も全国各地を回る予定です。


『ショック集団』(サミュエル・フラー監督)



文=樋口泰人


 1月末、札幌でサミュエル・フラーを観た。2月20日からユーロスペースで始まる特集上映の先行上映である。どうして札幌が最初なのかということにはあまり理由はない。その前日に爆音上映を札幌でやるのが先に決まっていたので、だったら同時期にやってしまえばいいじゃないか、という大雑把なきっかけがあったに過ぎない。もちろんその後に映画館での特集上映などの予定が決まっていればそちらに任せたのだが、東京や関西以外でのこういった特集上映は簡単ではない。無理に上映しても映画館に迷惑がかかる。お客さんも来て、映画館も喜び、しかもこちらもやりたい映画ができる、それに映画館がのってくる、お客さんも反応する、みたいな連鎖が起こることがベストだが、それが簡単にできたら今こんな状況になってはいない。ただ、何もしなければそれでおしまい。なかったことになってしまう。無理やりやって失敗しても、やはりなかったことになってしまう。ではどうやってつないでいくか。

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