今週2本目の映画川は、4月8日公開の映画『ルーム』(レニー・アブラハムソン監督)について降矢聡さんが書いてくれました。主演女優のブリー・ラーソンが数々の映画賞を受賞したことでも話題となった本作。閉ざされた"部屋(ルーム)”の中だけで7年間を過ごした母子が部屋の"外”に出て行くという物語がはたしてどのような手法で描かれているのでしょうか。




文=降矢聡


 ブリー・ラーソンがアカデミー主演女優賞を獲得し、撮影当時若干8歳であったジェイコブ・トレンブレイが天才子役として世界中で話題となったことでも記憶に新しい『ルーム』だが、真の(あるいはもう一人、一つの)主人公は、タイトルが示す通り、母子が監禁されている一つの納屋(ルーム)だ。というのも、ブリー・ラーソン演じる母親ジョイの息子に対する愛情、さらにはジェイコブ・トレンブレイ演じる息子ジャックの成長が徹底して納屋に対するアプローチから描き出されているからだ。

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