先月、boidマガジンで「Animation Unrelated」を連載中の土居伸彰さんがプロデュースするアニメーション・フェスティバル「GEORAMA2016」が開催されました。今回で2回目の開催となったGEORAMAでしたが、前回に比べてその規模は大きく拡大。国内外から多くのアーティストが参加し、上映だけでなくライヴや展示会、トークセッションなど様々なイベントが行われました。各イベントの様子については先日、アニメーション作家の沼田友さんが「Animation Unrelated番外編」としてレポートを寄稿してくれましたが、今回は同フェスティバルの仕掛け人である土居さん自身にインタヴューを行い、GEORAMA2016を企画した経緯からその裏側までをたっぷり語ってもらいました。

ブルース・ビックフォード、ドン・ハーツフェルト、デイヴィッド・オライリー、ケイレブ・ウッドの4人が集まった、世界的にも珍しい機会。DOMMUNEにて


聞き手=樋口泰人


――GEORAMA2016の話を聞きたいんですが、今回は前回(2014年)より内容的にも本数的にもかなり拡大して開催されました。まずそのへんの経緯から話してもらえれば。

土居 GEORAMA自体は2014年4月に、バウスシアターのクロージングとなる「THE LAST BAUS」、第7回爆音映画祭の前にGEORAMA2014として初めてやったんですけど、その時は海外からのゲストもなかったんですよね。今回なぜ4人も呼んでしまったのかというと……boidマガジンにも書いたんですが、ブルース・ビックフォードとの交流が一昨年の秋ごろから始まって、本人も日本に来たがっていたので、次にGEORAMAをやる時は呼ぼうと思ってたんです。それだけでとどめておけばよかったんですけど、ドン・ハーツフェルトも来れそうだということになってきた。ハーツフェルトは本当は1月上旬に来日する予定だったので、GEORAMAは1月から3月にかけてもっと緩やかにやろうかなと思ってたんですけど、ハーツフェルトの作品がアカデミー賞にノミネートされる可能性が出てきたり(『明日の世界』が本年度の短編アニメーション部門にノミネート)、彼自身が抱えていた旧作のブルーレイ化の作業も延びて、ちょうど2月頭なら行けそうだということになり、ハーツフェルトとビックフォードのふたりが2月に来ることになってしまったんですね。何故そのふたりかというと、もちろん僕がずっと推している作家ではあったんですが、ヨーロッパ式のアニメーションは助成金ベースで作られるのでやっぱりハイ・カルチャー寄りになりがちなところがあるんです。GEORAMAは助成金ももらってますがある程度チケット収入に頼らなければいけないところもあって、ポップなフィールドに近い作家を呼びたいというのがありました。それだったら、進行形で活躍しているドン・ハーツフェルトと、昔ポップ・フィールドに関わっていたブルース・ビックフォードを呼ぶことで、日本におけるアニメーションの見え方みたいなものを変えられたらいいなと。GEORAMAは「アニメーション概念の拡張と逸脱」をテーマにしているので、これまでとは違ったアニメーションの見方を提示するという上でも、日本やヨーロッパとはまた違った形で活動している人を呼びたかったんですね。アメリカのインディペンデントはこれまで日本であまり受容されてきませんでしたし。

――2015年は開催されなかったんだけど、その理由は?

土居 2015年もどこかでやれればよかったんですけど、まあ僕が去年4月にニューディアーという会社を起ち上げてバタバタしていたのもあったし、あと2014年のGEORAMAが終わった直後に新千歳空港国際アニメーション映画祭のフェスティバル・ディレクターになる話をいただいたのもあって、結構いっぱいいっぱいになってしまったんです。純粋に僕自身のスケジュールの問題でした。でも一応年度でいえば、2014年度と2015年度ではあるので、1年毎と言えないこともないって思ってるんですけど(笑)。

――新千歳とGEORAMAと傾向が被っている部分もあるように思うんだけど、それは自分の中ではどういうふうに区別をつけてやってますか?

土居 区別をつけてる部分とつけていない部分がありますね。どちらもアーティスティックな部分では僕自身が方向性を示していますし、アニメーション自体もそんなに大きな分野じゃないのでどうしても被ってきてしまうところはあります。ただGEORAMAは東京でやるってことがすごく重要だと思っているんです。例えば広島では昔からアニメーション映画祭が開催されてますけど、やっぱり関係者以外の人がわざわざ広島まで行くことは少ないじゃないですか。それは新千歳でも同じことが言えるわけで、なかなか東京から飛んでいく人というのは限られている。だから東京できちんとした何かをやるということは結構考えています。そうしないとなかなか見れる機会がないので…あと新千歳の場合はぶっちゃけて言えばニューディアーの資金持ち出しではないので、ある程度予算をいただくなかで、この機会に海外の関係者に日本を訪れてもらって、そこからひとつの文脈を作っていければいいなと思いますね。そしてGEORAMAはその文脈から出てきたものを実践していく場という感じでしょうか。

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