編集者・風元正さんによるテレビ時評「Television Freak」第5回は平日に帯番組として放送されているワイドショーと報道番組を取り上げます。各局(除くテレビ東京)が生放送している朝のワイドショーの中で風元さんが『とくダネ!』を見る理由、そして古館伊知郎の最後の出演となった『報道ステーション』のエンディングから考えたこととは――


上野公園にて (撮影:風元正)



某月某日


文=風元正


 TVを見始めるのは朝8時。NHKの朝ドラから『あさイチ』のウケだけを確かめ、『とくダネ!』に渡る。チャンネル権は妻にある時間帯であり、私は二日酔いの治療中であることが多く、ほとんど何も考える力がない。この時間にテレビを見ている男は、普通に通勤していないヤサぐれた層である。朝ドラは、『あまちゃん』は第1回目からリアルタイムで見て、『まれ』にも熱心だったが、ほかは見たり見なかったり。『あさが来た』も五代様が去って飽きてしまった。筋のヘンなドラマの方をつい見てしまう。
 最近の朝ドラはよく第二次大戦中が舞台になるが、描き方に立腹して途切れるのが常だ。戦中を生きた人に聞くと、本土がほんとうに追い詰められたのは空襲が本格化した昭和20年からで、その前はさほど不自由な暮らしではなかったという。悪い軍人や特高もいれば、いい人もいる、という内実は同じであり、ブラック企業の長時間労働の方がひどいかもしれない。前線の軍人たちが別物なのは承知しているが、みな非業の死を遂げたわけでもない。世界の栄光と悲惨は永劫に変わらないだろう。それゆえ、『あさイチ』において、空気を読むことに長けソツのないイノッチと有働さんが漂わせているイマドキの勝利者感が、どうしても好きになれない。たぶん、2人とも少しだけ腹黒いだろう。

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