映画監督の松林要樹さんが、世界最大の日系人居住地でもあるブラジルでの生活をレポートしてくれる「未来世紀、ホボブラジル」第2回。ブラジル北部、アマゾン川の河口南岸に位置する都市・ベレンに移った松林さんは、大潮の際に起こるアマゾン川が逆流する現象「ポロロッカ」とその現象を利用して行われるサーフィン大会を取材しようとします。そこで現地の人々に聞いて回るのですがなかなか正確な情報を得られず――。はたしてポロロッカを撮影することはできたのでしょうか。




文・写真=松林要樹


 一体いつだったかはっきり思い出せないが、子供のころテレビの番組でブラジルのアマゾンのポロロッカという自然現象をとらえたドキュメンタリー番組を見ていた。ヘリで撮られた大自然の様子に感動した。ポロロッカという言葉を知ったのは、その時が初めてで、地球の裏側にある遠い異国に思いをはせるのに十分な響きだった。
 ポロロッカとは現地のインディオたちの言語で「大きな騒音」を意味し、アマゾン川を大体、雨季の2月から4月の間、大潮の日に川の真水が海からの大潮にぶつかって川を逆流する現象だ。一年に一度しか見れない現象という風に謳っているところもあるが、程度の大きささえ問わなければ、雨季の間の大潮の時に発生している。ただ、時期と場所によっては逆流スピードが時速60kmくらいで波が5m近くになるという。まるで津波のような現象だ。
 百聞は一見に如かず。いま福島とブラジルをつなぐ映像作品を作ることを予定している。その最中に、この二つの世界をつなぐ現象としてポロロッカを撮りたいと思った。そこで調べていくうちに、今住んでいる南緯3度のパラ州ベレンから3時間ほど離れたサン・ドミンゴ・カピンで、この16年ほど前から物好きなサーファーたちがはじめたサーフィン大会があることを知った。

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