CN"バンコクナイツ”作戦を完了(=最新作『バンコクナイツ』を完成)させた空族の連載「潜行一千里」が久しぶりに登場! 本作戦(撮影)終了後の6月、部隊は新たな任務CN"YCAM”のため再びラオスに潜入していました。長年その存在を隠蔽されてきたラオス最深部へ向かう車中で、隊員たちは本作戦のクライマックスとなったタニヤでの出来事を思い出します。
※本記事で触れられるラオスへの潜入で撮影された映像は、9月24日(土)~11月6日(日)山口情報芸術センター[YCAM]で開催される映像インスタレーション展【バンコクナイツ展『潜行一千里』】で見ることができます。ぜひご来場ください!





文=空族
写真=山口貴裕、空族



仏歴2559年6月×日

 我々は、本作戦『バンコクナイツ』にて大勝利を収めた。すでに本隊は解散し、隊員たちは各持ち場に戻っていった。しかし、わたしたち別動隊は、本作戦から派生した新たなる作戦、CN"YCAM”、この長州芸術情報戦闘を戦いぬくための機密情報を得るべく、現在再びラオスの中部山岳地帯の只中に戻った。四輪駆動車の2台編成は、雨季に入った山岳地帯へと深く潜入するためには最低限の備えである。雨季の雨でぬかるんだ赤土に対しては四輪駆動車とはいえ万全ではない。MMMを乗せ前方を走る一台を、トラツキとわたしの乗る後続車が追っている。後部座席のわたしの隣には、ラオス正規兵の青年が厳しい表情で座り、その手にはAK-47が銃口を天井に向け握られている。一台に一人ずつ戦闘態勢のラオス軍兵士が同乗し、スピードの出せないぐちゃぐちゃの道を"ある場所”に向かって慎重に進んでゆく。あまりの振動に銃が暴発するのではないかと肝を冷やしながら青年兵の顔を窺うと、車窓を眺めるその厳しい表情の奥に、あどけない少年の視線が重なっていることに改めて気づく。彼の握るAKには30発入りの湾曲したマガジンが装てんされ、更に同じものが胸に2本ずつ、2人で約200発近い弾薬を装備している。つまり、その程度の戦闘が起こる可能性があるということだ。わたしたちは遂にラオス最深部に到達しようとしていた。

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