boidマガジン

2016年10月号 vol.4

微笑みの裏側 第9回 (Soi48)

2016年11月25日 15:22 by boid
2016年11月25日 15:22 by boid
世界各国の音楽を発掘・収集するユニットSoi48が、微笑みの国=タイの表と裏を見せてくれる連載「微笑みの裏側」第9回です。先日開催した「爆音映画祭2016 特集タイ|イサーン」で好評だったモーラム・ライブ。そのライブで来場者を虜にしたのがポンサポーン・ウパニさんが演奏する楽器ケーンの音色。今回はイサーンの成り立ちとケーンにまつわる話を紹介してくれています。






文=Soi48
写真=山口貴裕


 おかげさまで大好評だった「爆音映画祭2016 特集タイ|イサーン」のモーラム・コンサート。様々なお客さんと話していると一番好評だったのがウパニ君のケーン独奏だった。「ケーン1本でこんなにグルーブが出るとは驚きました」、「ケーンで覚醒しました」などという嬉しい声をいただいた。渋谷の真ん中でケーンの音が鳴り響き、そのグルーブだけで満員のお客さんが踊る光景は主催者の想像をはるかに超えていた。ステージ上で「ケーンの音色は非常に中毒性が高いです。イサーン人はこの音を聞くと覚醒します」と勢いに任せて手短に解説したが、より深く知りたい人のために今回のboidマガジンではイサーンの成り立ち、ケーンにまつわる話を紹介してみたいと思う。

*********************************************************************


 潮州出身の華人タークシン王は1767年にトンブリーに王朝をひらいた。その時、現在まで続くチャクリー王朝の初代王であるラーマ1世はタークシン王に仕えていた。そのラーマ1世はタークシン王の指示で現在のラオスにあたるヴィエンチャン王国を侵攻した。ヴィエンチャンを破ったラーマ1世は人質としてヴィエンチャン王の息子アヌウォンを連れて帰った。同時に農業、運河建設の労働力として数万人のラオス人がタイ中部へ強制移住させられた。のちにタークシン王は政治混乱を起こし、トンブリー王朝はわずか15年で終焉を遂げラーマ1世が即位した。1782年、ラーマ1世はトンブリーからチャオプラヤー川を挟んで対岸である東岸にバンコクを建設し遷都した後、チャクリー王朝を興した。先日ラーマ9世が崩御したが、このチャクリー王朝こそが現在まで続くタイの王朝になっている。
この続きは無料購読すると
読むことができます。

関連記事

『ロビン西の描き捨てノートマンガ2004-2014』 第22回

2016年10月号 vol.4

ファスビンダーの映画世界、其の三 (明石政紀)

2016年10月号 vol.4

Animation Unrelated 第35回 (土居伸彰)

2016年10月号 vol.4

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

2018年12月号

【重要なお知らせ】 boidマガジンは下記URLの新サイトに移転しました。 h…

2018年11月号

【11月号更新記事】 ・《11/25更新》三宅唱さんのによる「無言日記」第37…

2018年10月号

【10月号更新記事】 ・《10/30更新》冨田翔子さん「映画は心意気だと思うん…