山口情報芸術センター=YCAMのシネマ担当・杉原永純さんが日々の仕事や生活、同センターの催しについて記録する連載「YCAM繁盛記」第30回です。YCAMでは年末から1月15日まで監督・脚本家・俳優の藤田敏八さんの特集上映「藤田敏八と時代の色気」が開催中。そこで上映されている作品に映る新宿、そして年末・年始に訪れた金沢と大阪・万博記念公園の風景から薄れゆく都市の記憶へと思いがめぐります。

念願の太陽の塔に立ち寄れた年初。ほとんど初詣



藤田敏八と1970年前後の都市の記憶/金沢と大阪へ


文・写真=杉原永純


 毎年YCAMシネマで行なっている日本映画特集。12/22から藤田敏八監督特集をスタートさせたこともあって、年末年始何年ぶりだろう、東京に立ち寄らなかった。仕事納め〜大晦日に近づくにしたがって、人の気配が減ってゆく東京がとても好きで、それを確認するためだけに、山口に移ってからも飽きずに2年連続年末は羽田へのフライトを取り、大晦日までダラダラ過ごしていた。2014年は新宿ミラノ閉館記念で早朝から『マトリックス』を満席の熱気の中見ていた。それよりずっと前、2008年末は歌舞伎町のガラガラの劇場でジェームズ・グレイ『アンダーカヴァー』を見てボロ泣きしたことを思い出す。スクリーンに映し出される冬のブルックリンばりに寒い日だった。

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