boid社長・樋口泰人による2016年12月1~10日の業務日誌ときどき映画&妄想日記をおおくりします。ついに初号試写の日を迎えた映画『PARKS パークス』の仕事を続けながら、週末は家に閉じこもって原稿を書き、その合間に60年代後半~70年代前半に発表されたレコードに針を落としては少年になる日々。
文・写真=樋口泰人
体調は相変わらず悪いが、気分的には11月いっぱいで底をつき、もうこれ以上どうしようもないということで少し楽になったかもしれない12月。引き続き、映画を観るより音楽を聴く方に心が動く。レコードの片面20分くらいの周期で気持ちが入れ替わるのが、生きるリズムを作っているのかもしれない。その意味で小説版の『地球に落ちて来た男』の文章のスタイルは、かなり奇跡的にフィットした。文章を読むのが極端に遅い上にすぐに飽きてしまうわたしが、いくら解説を引き受けたとはいえ、飽きずに毎日楽しみに小説を読むことなどめったにないのだが、これは全然違った。解説の中にも、先月の日記にも書いたかもしれないが、これからずっとこれを読んでいてもいいくらいだった。終わらない小説。毎日誰かのつぶやきを聴く感じ。三宅の『無言日記』はこれに近いかもしれない。とりあえず『無言日記』の方は、永遠にやり続けてほしい。
12月1日(木)
朝からboidマガジンの購読料引き落としの件で、苦情のメールが来る。boidマガジンは毎月月初にその月の分(前月号の購読料)の引き落としがあるのだが、10月分の引き落としが11月分と同じ11月の上旬(これも遅れていたみたいだ)にあり、12月分の引き落としが12月の月初ではなく11月の末にあったとのこと。確かに、これだと、余計に引き落としているわけではないのだが、いくらなんでも怪しまれても仕方ない。ただとにかく個人情報保護の問題で、われわれはマガジンの契約に関しては人数以外ほぼまったくわからないので、システムの管理会社に連絡して確認してもらうしかない。そこから先は手出しのできない領域である。だから時間がかかる。権利や情報の保護は確かに大切だが、逆にこういった場合はそれが壁になってなかなか事態が把握できないから、それぞれにストレスが溜まる。グローバル化の果ての細分化された社会。その細分化されたシステムの中で、それぞれがこれ以上はわたしの領分ではないと言うしかない状況が訪れる。誰も責任を取りたくないのではなく、取れないシステムになっているということが実感される。こういったシステムにまともに抵抗しても、ただ単に人間関係が悪くなるだけで少しもいいことはない。それぞれがそれぞれの分野で責任をとったりその責任を追及するのではなく、誰もが無責任に適当にやるとか、それくらいのゆるい態度が必要とされているように思う。とはいえ、今回の場合は、どう考えても元はと言えば、管理会社の連絡ミスにあるわけなので、とにかく事情を説明するお詫びのお知らせを、2ヶ月前にお知らせしなければならなかったこともお詫びしつつ読者の皆さんに通知するということで、ひとまず解決。何れにしても料金システムは他に何かいいやり方がないか思案中。無料開放するのが一番な気もしているのだが。
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