小説家・桜井鈴茂さんのエッセイ連載「サバーバン・ブルーズを蹴散らしながら」第12回は、年末年始の過ごし方についてのお話。ふだん実家とは別の場所で暮らしている人がお正月に実家に帰るのはなぜなのか? 北海道の実家に帰省せずに東京の自宅で2017年を迎えた桜井さんがたどり着いた答えとは――





文・写真=桜井鈴茂


 謹賀新年。今年もよろしくお願いいたします。

 いきなりナンですが、みなさん、どんなふうに年末年始を過ごされているのでしょうか? やっぱり、何日かは実家で過ごすものなのでしょうか? 過ごす、とまではいかなくとも、親やきょうだいと顔を合わせるくらいはするものなんでしょうね? ……いやね、というのも、いつものお正月はそんなことたいして気にかけないのだけど、そういえば、けっこう長いことお正月を実家で過ごすということをやっていないな、そんなんでいいのかなあ、と今年は考えてしまったもので。いざ、自分の周囲を見渡すと、なんだかんだ言いながら大半の人たちは実家に帰っている(まあ、そもそも今も実家に住んでいる、という人もいるわけだけど)。ぼくが副業であるコピーライターとしてお世話になっている会社の社長なんかも、ふだんは会社から数十分の家(奥さまと子どものいる自宅)にさえ週に二度とか三度とかしか帰っていないくせに、ようするにそれくらい家族を顧みないワーカホリックなくせに、ちゃっかりお正月は関西のご実家に帰られている。いやいや元旦の朝に新幹線に飛び乗って向こうで一泊しただけですよー、なんて言ってるけど、それでも帰省したことにはかわりない。年明けに、と言っても4日だけど、飲んだ友人の二人(男と女・南東北と北関東の出身)も口を揃えるように、昨日東京に戻ってきた〜、とか言ってたし。年末にちょっと用件があってメールしたのに返信のなかった担当編集者も、仕事始めの5日に電話がかかってきて、すみません〜沖縄(実家)でバタバタしてたもんで〜とか言ってたし。年の瀬にレコード屋さんでばったり会った友人も、子ども達を連れて帰るけど〜俺はすぐにこっちに戻ってくるよ〜なんて言ってたし。

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