写真:内堀義之
文・記録=ヒスロム
9月6日(雨)
1時間ごとに強い雨が降ったり止んだり。
霧で景色がぼんやりと見えては見えなくなる。
何が造られ何が出来て行くのか分からないこの現場の状況をより不気味にしている。
駅から現場に向かう際にある一番手前の斜面は、こないだまで青々とした雑草が生い茂っていたが
全面刈られてしまって草木は茶色くなっている。道路を挟んで山側の斜面はまだ自由奔放に雑草たちが生えている。
僕が立っている道路の位置から左は茶色っぽく、右は緑っぽい。
霧が出てぼんやりと見えるこの左・右の色彩は様々な意味を含みジメっと身体に染みてくる。
そろそろ住宅用地として整えだすのだろうか!?
銅の成分を含んだ石がコンクリートの道に転がり茶色く染めている。
よく見ると、転がっている草の実やドングリからも色が流れていた。
公園の臨時駐車場は車も人も居ない。
整地された部分とこんもり草木で生い茂った山の斜面はくっきりとはっきりと分かれている。
木が生えている訳でも無く、様々な草が重なり雑草と呼ばれるであろう植物たちが、自由に形造っているあの空間の中には
必ず、自分の知らない何かが居る奇妙な雰囲気を漂わせている。
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