boid社長の樋口泰人が日々の仕事とそのなかで夢想する企画などについて記す「幻聴繁盛記」です。1986年に開館した渋谷の映画館・シネマライズが来年の1月で閉館することが明らかになりました。このニュースからあらためてこれから映画館が進むべき道について、さらに映画館という枠組みを超えた遊び場を作るにはどうすべきかを考えていきます。

シネマライズ




文=樋口泰人


 あー、もう、だからあの時もうちょっとわたしの話を聞いてくれれば今頃少しは違う展開になっていたかもしれないのに、本当にもったいない、というか腹立たしい。どうしてこんなにわかりきったことを想定出来ないのか、ばかじゃないのか。とかもう、本当に、ひたすら毒づくばかりの本日。ツイッターで知ったシネマライズの閉館である。

 詳細は書かない。バカらしいから。とにかくあるアイデアがあって1年以上前に企画や今後のライズの運営に関する新たな展開案を持ち込んだ。でも、まあ、適当にあしらわれたというか、話は聞いてもらえたけどそれっきり。ライズはもう数年前から本来のライズとしての運営をしておらず、運営はパルコ、ライズは大家、みたいな関係になっていた。その時話をしたのがパルコだったので、その後、某氏を通して大家の頼さんに話をしてもらったのだが、成す術無し。その時点ではもはや閉館を決めていたのだろう。

 今回の閉館報道に関しては、当然のことだが閉館を惜しむ声がツイッターを埋め尽くしている。もちろんそれは確かにそうなのだ。確かにそうなのだがまったく納得がいかない。実質的にライズが閉館したのは2010年から2011年にかけて、渋谷の単館系の映画館が次々に閉館したあの時期だろう。10年9月に渋谷シアターTSUTAYA(旧・渋谷Q-AXシネマ)、10月にはヒューマントラストシネマ文化村通り(旧・シネ・アミューズ)、11月にシネマ・アンジェリカ。そして2011年2月にはシネセゾン渋谷、渋谷ではないが2011年1月には恵比寿ガーデンシネマ。

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