
文・写真=梅田哲也
ヌートリアは大きいとしっぽを入れて1メートルほどあるもんで、泳いでると、ネズミというよりは、ラッコやカワウソのような生き物にもみえる。船が停泊する隙間でプカプカ浮いているのは、近所のおじさんたちに餌付けされて住み着いた家族らしい。こいつら、俺が知ってるだけでもう5世代めくらいちゃうかな。えらい長いこと潜りよるやろ、素潜りの名人やで。もともとは戦時中に毛皮を生産するため持ち込まれた外来種で、絶滅危惧種のタナゴの生態をおびやかすとか言われる嫌われ者たち。ツアーは5日間毎日、ここで彼らに挨拶をすることからはじまる。出発点となる船着き場へと向かうなか、船長はときどき立ち上がって、足でハンドルを操作する。このほうがよう見えんねん。時々な、川鵜が飛んできてウナギをパクーって捕まえて飛んで行くのん見るで。あいつらは、ウナギ取りの名人やで。ウナギはようけおるよ。淀川のウナギは食べさしてもうたことあるねんけど、びっくりしたな。今まで結構いろんなところで食べたことあってんけど、どこの店で食べたウナギよりおいしかったわ
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