boidマガジン

2016年01月号 vol.2

ヒスロム日記 第9回

2016年01月16日 22:29 by boid
ヒスロムの毎月の活動の記録「ヒスロム日記」第9回目です。刈り取られた段々畑の頂上にある門を作ったおじさんや、昆虫さんなどこの土地に詳しい人とのやりとりも続くなか、2月に開催する展示のために小笠原諸島の父島に関係者や鳩2羽と向かったヒスロム。ところがエンジントラブルのために東京へ引き戻ることに。騒然とする船内ではガイドによる父島の案内が続けられ…。
今年より「今月の鳩」は数ヶ月に1度まとめた記事を来月以降にお送りいたします。こちらもお楽しみに。




文・記録=ヒスロム


12月6日(曇り)

現場から少し東に歩くと昔から営んできたであろう段々畑の農地が広がっている。収穫の秋が過ぎ、畑や田んぼには何も植えられていなかった。草刈り機の音がときおり鳴り響いて、遠くの方でおじさんがなにやら手入れをしている。畑全体に電線が走っていて、夜から朝方にかけて自動で電気が流れる仕組みになっている。現場ではここ数年動物を見ていない。
畑の一番上へ登っていくと大きな門がそびえ立っていた。左には雄鳥が魚をくわえていて、右では雌鳥が卵を暖めている。石のような彫刻物で掘られた大きな青い鳥はこの地域によく出没していたのだろうか?振り返ると、現場方向だけすぽんと景色が抜け空が広がっている。
少し前に現場の一番高いところから鳩を飛ばしていた。下からゆっくり上がってくる車の上に鳩は止まった。中から出て来たおじさんは30年ほど前からずっとこの現場を作り続けていて、僕たちが見て来た様々な構造物なんかを主に作っていた人だった。現場の事はなんでも知っていた。これまで作ってきた中でも、山と現場の境目にそびえる門に一番思い入れがある、とおじさんは言っていた。山を削って新しく宅地を作る中で門はとても大切なんだ。山際にぽつんと建っていて誰もこいつのこと見る機会はないかもしれないけど。昔は手作りでね。石摘んでいって最後に木目のテクスチャーをつけるんだ。時間が経てば経つほど味が出てくる。ぼろぼろだけど良い感じでしょう?最近のは味気ないからね。

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