boid社長の樋口泰人が日々の仕事やそのなかで夢想する企画などについて記す「幻聴繁盛記」。今回の話題は4月16日(土)から公開する『地獄の黙示録』(劇場公開版)について。この映画を今日本で公開しようと考えた理由や、本作の配給が可能になった背景、そしてすでにソフト化されている過去の作品をより上映しやすくするために望まれることとは――。


文=樋口泰人


 『地獄の黙示録』をロードショー公開する。本来なら昨年公開の予定だった。ベトナム戦争終結後40年、第2次世界大戦終結70年という節目の年。振り返ればさらに国内での憲法第9条をめぐる動きなど、戦争にまつわるさまざまな出来事が起こった。昨年公開できていればと思うばかりだが、貧乏暇なしのboidは残念ながらできなかった。ようやく今年の公開にこぎつけたわけだが、気持ちは昨年公開。チラシなどに、以下のような文章を書いた。

「当然、それは通常の「戦争映画」になるはずもない。ベトナムのジャングルが人間の心の闇とも重なり、戦争の恐怖は生きることの恐怖となり、戦いの果ての向こう側に向けての闇の中への潜行となる。果たしてそこに着地点はあるのか? ベトナム戦争終戦後、その先が見えない西欧社会の行き詰まりの中で、「その後」を模索するアメリカの露わな姿をそこに見て取ることもできる。「アメリカ」の黎明期の物語とも言える『ゴッドファーザー』の後、コッポラは「アメリカ」の終わりであり、新たな始まりの物語を作り上げたのだ」

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