boidマガジン

2016年08月号 vol.2

毛利悠子のプラスチックフォレスト ロンドン編 第1回

2016年08月13日 22:57 by boid
アーティストの毛利悠子さんの連載「毛利悠子のプラスチックフォレスト」、今年7月からのロンドン編が新たにスタートします。NY滞在記とはまた違った毛利さんの視線の矛先、今後の活動の行方をboidマガジンに半年間寄稿していただきます。レジデンス・プログラムで滞在した膨大なコレクションを誇るヴィクトリア・アンド・アルバート・ミュージアムでのリサーチは、次回のプロジェクト先でもある南インドのコレクションからはじめることにしたようです。

V&Aのメインエントランスの外観。エントランスはフリーです!



文・写真=毛利悠子

たいへんごぶさたしております。昨年の「毛利悠子のプラスチックフォレスト~ニューヨーク編」に続き、今年は「ロンドン編」をお送りすることになりました!\(^O^)/
前回のニューヨーク同様、アーティスト・イン・レジデンスのプログラムでロンドンに滞在中なのですが、今回は最初にヴィクトリア・アンド・アルバート・ミュージアムでリサーチ、次にカムデン・アーツ・センターで作品の制作とオープン・スタジオ、最後に、これは来年になりますがホワイト・レインボーというギャラリーで展覧会と、3つの場所で仕事をしてゆく、少しユニークなプログラムになりました。今は、その最初のフェーズにあたるV&Aに滞在し、はや1か月が経とうとしているところです。


* * *


あー、ホントにあっという間に、ロンドンに着いて4週間が経ってしまった……。

7月8日、ロンドンに到着したわたしは、珍しく風邪をひいてしまったのだった。 昨年のニューヨーク滞在の終了から間髪入れずに表参道スパイラルの25周年企画や日産アートアワード、さらにいくつかの個展と、大切にしたい仕事が立て続けにあり、風邪をひく隙すらない状態だった。身体の中のリンパというか、血管というか、気持ちというか、気みたいなものが、ゴム風船のようにパンパンにふくれあがった状態が続いていたのだろう。ロンドンに着いた瞬間、それがひゅ~っと抜けきってしまい、すっかり風邪をひいた──ような気がする。
ロンドンの最初の滞在先はサウスケンジントン駅にあるV&Aから徒歩15分ほどの、閑静な住宅街だった。中心街という共通点はあるものの、ニューヨークはグランドセントラルのアパートメントで延々と聞かされた、マトリックス状にならぶ室外機による天然イントナルモーリとは大違いだなあ(毛利悠子のプラスチックフォレスト 第4回)、と充実した住環境に浸りながらまるまる2日を熟睡に費やした。
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