
文・写真=松林要樹
この前に続いて没ネタについて。3年半近くブラジルで撮っていた福島企画が終わった。終わったというのは、撮影者(私)の主観的な判断で、撮影させてもらっていた方たちの人生や予定が終わったのではない。当面、企画を継続していく根気が失せたのである。今後、福島出身のある人物を追う撮影をやめるつもりだ。60年ぶりの一時帰国の過程を撮ろうとしていたが、3年たっても何も動かず、今後も動きが生まれる可能性は低い。結論を一言で書けば、映画の主人公としては優柔不断かつ気難しい。さらに撮影を通じて今後、人の感情の動きが生まれないと感じ、相応しいと思えなくなったのだ。
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