小説家・桜井鈴茂さんのエッセイ連載「サバーバン・ブルーズを蹴散らしながら」第11回をおおくりします。平日は都心の仕事場で寝泊まりすることが多くなり、郊外に住んでいた時の"朝の習慣”を失いつつあった桜井さんですが、このひと月ほどあまりの忙しさのため生活のリズム自体が完全に不規則になってしまったようで――
文・写真=桜井鈴茂
しばらくです。先月はあまりにも忙しく、というか、我が人生史上最たる繁忙期だったもので、本エッセイは休載させていただきました。
と、気づけば、師走。1年の中で、もっとも好きな月の1つである11月は、仕事に忙殺されてほとんど楽しめないままに……まあ、もっと後になれば、なかなかに充実していたという感想を持てるようになるのかもしれないが……季節の移ろいや愛猫との戯れや仕事以外の人生の喜怒哀楽などはほとんど味わえないままに過ぎ去り、そして、たぶんもっとも嫌いな12月が、師走がやってきた。今年もまた。しかし、早すぎ。深大寺に初詣に行っておみくじを引いて天ぷら蕎麦を食べたのってついこの間のことじゃなかったっけ。
2018年12月号
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