「任・ヒスロム鳩舎」として日本鳩レース協会に所属し、レース鳩の飼育もするヒスロムによる不定期連載「人と伝書鳩」。昨年11月にレジデンスで訪れたポーランドではレース鳩はサッカーに次ぐ第二の国技とも言われるそう。ワルシャワの鳩マーケットで初めて目にするデコレーションピジョン、レジデンス会場で偶然に出会ったレースをしない鳩飼いの男性、ヨーロッパ最大レースのチャンピオン鳩を飼育するレプク兄弟から聞いた鳩とのコミュニケーションの話など。



文・写真=ヒスロム


鳩マーケット
11月12日(土) 雪のち晴れ ワルシャワ

早朝からバタバタと支度をおえて、いそいでアンナの車に乗りこむ。いたるくんの運転でアンナの家へ向かう。ヒスロム初の海外運転デビューは、日本とまぎゃくの右側通行、左ハンドル。慣れてないもんだから、おそるおそる。見守っているほうが、どきどきしているかもしれない。家の前に着くとアンナが、よくがんばって来たわねー、と笑顔で、出迎えてくれる。なんかすごく嬉しい。アンナとドライバーチェンジして、鳩マーケットへ向かう。ポーランドはね、運転荒いひとが多いのよ、気をつけてね、とアンナが言って、水筒に入ったあったかい紅茶をくれる。

たくさんの鳥かごが路上に並んでいる。かごの後ろには車が止まっている。かごの横にはおじさんが立っている。だいたいみんな同じスタイルで、大きな広場にずらりと並んでいる。地面にある水たまりはどれも凍っている。息は白く、とにかく寒いなか、通りがかった人たちと何やら話をしている。鳩を見ようとしたら、お兄ちゃんたちどこから来たの?中国?えっ、日本!遠くからまあ、はるばる!おれの鳩見てってよ!、という感じで鳩を見せてくれる。写真撮っていいって尋ねると、いいよ、と言って、鳩のよこに並んでくれる。なんだ、何かちがう鳩たち。まっ白な鳩、茶色い鳩、まっ黒い鳩。足はブーツカットのヤツもいる。やけに小さい、大きい。首がながい、ほそながい。目がへん。いろんな鳩たちが、いろんな車の前で、いろんな鳥かごに入っている。見たことのない鳥かごもある。日本でよく公園なんかで見かける鳩とも、レース鳩ともちがう。公園の鳩は、まんまるい体をしていて、羽根がバサバサ。飛ぶよりも、ちょこちょこ歩いているイメージ。レース鳩はマッチョな体で、バッチリおめめ、ビュンビュン飛びまわるイメージ。じゃあ、この鳩たちは。この鳩たちは、なに。ずっとかごに入っているの?どんな飛びかたをするの?

すこし先へ行くと、鳩だけでなく、いろんなアイテムが売られている。いろんな色をした脚輪がある、餌皿もある、水受けもある、薬もある。鳥かごもある。ここでは鳩の飼育品を一式そろえることができるみたい。さらに先へ行くと、野菜が売られている。ごはんがある。パンがある。にわとりが居る。ちゃぼも居る。さらに先には、5階建てくらいの古びた建てものが見えるので、アンナに聞くと、あれはベトナム人のマーケットよ、と言う。行ってみると、そこは駐車場になっていて、よこの平屋建ての大きな建てものがマーケット。中にはいろんなお店があって、アジアの食材はもちろん、衣類から、本、おもちゃも売ってる。床屋もある。ネイルサロンもある。とにかく様々なものが出揃っている。マーケットを出て、アンナの家に行く。パートナーのガスパーを紹介してもらう。それとネコふたり。あったかい部屋で朝食をもらう。オムレット、パン、手作りジャム、コーヒー。一息ついてから、ポズナンへ向かう。

日本に帰ってきてから、ポーランドで見た鳩について、任さんの鳩の世話をしているフィリピン人のヴィクトルくんに話しをすると、フィリピンでポピュラーな鳩について教えてくれました。デコレーション鳩と呼ぶそうです。鳩マーケットで見た鳩たちも、デコレーション鳩だそうです。なぞはさらに深くなりました。ヴィクトルくんが教えてくれた、デコレーション鳩の動画をご覧ください。













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