boid社長・樋口泰人による2017年2月11日~20日の業務日誌ときどき映画&音楽&妄想日記です。まだまだ続く『PARKS パークス』関連の打ち合わせも次第に、公開後あるいは映画の物語の先へつながる案件・内容が増えてきたようです。さらに忙しさを紛らわすため(?)に買ったたくさんのレコードの話も。

文・写真=樋口泰人
相変わらず疲れ果てながら、打ち合わせの日々。どうしてこんなことになったのか、仕事の仕方が悪いのか、何事もまったく落ち着いてできない状態。常に胃がしくしく痛む。何かをやり損ねている思いが募るばかり。いったい何をやり損ねているのかといえば、単に、「何もしないこと」であるとしか言いようがない。できる限り何もせず、ダメな会社のダメ社長として、この人と仕事をするならこちらがすべて手はずを整えないとどうにもならないとわかってなお一緒にできるところと仕事をする。そんな仕事のやり方。残念ながら、もう、いろんな配慮がまったくできなくなった。人間関係をどんどん悪くしそうだ。
2月11日(土)
『映画秘宝』の空族特集用の原稿を書いたほかは、おそらくぐったりとしていたはず。記憶なし。もう発売されてしばらく経つので、その原稿の最後の部分を。
「そこに写っているのは主演の小沢ではなく空間を現実へとつなぎ合わせることも可能にする視線によってとらえられた監督自身である。そんなありえない妄想を呼ぶ。そうやってすべてが繋がって行く。だから音も、単にボリュームをガーンとあげればいい。それで十分。あとは音がやってくれる。それを「信頼」と呼んでみたい。音を信頼する。目に見えないものを信頼する。それによって身軽になり、あらゆるものと繋がれて行く。軽さゆえの大胆さを、空族は呼び寄せたのだと思う」
いったい何のことを言っているのかは、特集号を買って読んでみてください。
2月12日(日)
同じくぐったりしながら働いていた。猫様がひどい格好で寝ていた。狸である。あんまりなので、新宿に出てレコードを買った。

バフィー・セント・メリー『SHE USED TO WANNA BE A BALLERINA』。71年のアルバム。ジャック・ニッチェがプロデュースして、何曲かのバックをニール・ヤング&クレイジーホースが。3曲目「Sweet September Morning」における左チャンネルと右チャンネルのギターの競演と共振と共鳴にやられる。力強い歌声が余計にバックの演奏の繊細さと悲しみを強調する、他の誰にもできない「Helpless」がA面最後に。2015年リリースのアルバムを聴きたくなった。

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