山口情報芸術センター=YCAMのシネマ担当・杉原永純さんが日々の仕事や生活、同センターの催しについて記録する連載「YCAM繁盛記」。今回はboidマガジンの連載陣でもある三宅唱監督とプロデューサーの松井宏さんをYCAMに招いて行われた映画制作ワークショップの様子を紹介してくれます。参加者を公募するのではなく、YCAMのスタッフを対象に行われたこのワークショップの狙いとは――

YCAM各所で撮影が行われた。三宅監督も見守る



三宅唱監督による映画制作ワークショップと今年の映画制作


文=杉原永純


 3月15日(水)、16日(木)、17日(金)の三日間、映画制作ワークショップを行った。YCAMスタッフ限定で22名が日々の業務を離れ、三日間みっちり時間を作ってくれ、かなり密な体験を共有できた。三宅唱監督、そして『Playback』『THE COCKPIT』以降三宅監督とタッグを組んでいる松井宏プロデューサーもこれを期に初めてYCAMに来て、ワークショップを見守ってくれた。
 なぜ、今、YCAMで、しかもスタッフ向けに行うのか、告知と説明を兼ねて。4月になったので正式にやっと情報をリリースできるのだが、今年のYCAMでの映画制作プロジェクト=「YCAM FILM FACTORY」第四弾は、三宅唱監督に依頼し、山口で夏以降長めに滞在を予定していて、その間に徐々に撮影が進んでいく。
 振り返ると第一弾が柴田剛監督『ギ・あいうえおス 他山の石を以って己の玉を磨くべし』(長編映画)、第二弾が空族+スタジオ石+YCAM『潜行一千里』(インスタレーション)、第三弾が、今年お披露目する予定の染谷将太監督『(題名未定)』(短編映画)と続いて来たトリとして、三宅監督+YCAMで映画を作る。
 節々でこの連載にも登場してもらっていたかもしれないが、2年ほど前から三宅さんにはこの「YCAM FILM FACTORY」で、映画を制作してもらおうと目論んでおり、YCAMでイベントがあるごとに山口まで足を伸ばしてもらっていて、YCAMの一筋では分かりにくい展示やらワークショップやらパフォーマンスやら体験/吸収してもらって来た。三宅さんの今回の制作は「トリ」と言ったが、本当にそのつもりで、来年(2018年)はYCAMで映画制作はしない。というのも、これでYCAMで映画制作をやる目標とかは完結する、予定でいるから。

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