山口情報芸術センター=YCAMのシネマ担当・杉原永純さんが日々の仕事や生活、同センターの催しについて記録する連載「YCAM繁盛記」。今回は8月12日から始まる染谷将太さん+菊地凛子さん+金林剛さん+YCAMによるインスタレーション展「ブランクVR」についてのお話。そして大阪での『ギ・あいうえおス 他山の石を以って己の玉を磨くべし』(柴田剛監督)先行上映、「国際交流基金アジアセンター上映企画・実践ワークショップ」に参加するための東京出張のことも。
染谷将太+菊地凛子+金林剛+YCAM「ブランクVR」。展示作品として完成したYCAM FILM FACTORY第3弾のもう一つの作品。8/12(土)から4週間限定・YCAMで展示します
「ブランクVR」完成間近
文=杉原永純
8/3-6のカナザワ映画祭2017 at YCAM、8/24-27のYCAM爆音映画祭の間に、無謀にも突っ込んでしまった「ブランクVR」。昨年からの「潜行一千里」で展示を企画するのはやめようやめようと思っていたのに(単純に仕事量の問題)、気づけばやっぱり今年も手を出してしまっている。
昨年夏に染谷将太監督たちとYCAM館内で撮影を進め、今年の8/11(金・祝)に野外上映でお披露目する短編映画『ブランク』。その撮影風景を360°カメラで記録しておこうといったのは、芸大の同期で、今回の染谷企画を繋げてくれた金林プロデューサー。
正直、映画の撮影現場をVRで体験するってどうなのか、出来上がってくるまでなかなか落ち着かなかった。それって面白く映るのか、と。しかし幸いにもぼんやりした不安を覆して、360°カメラの無差別性が際立つような映像になっていて、それが面白い。VRカメラはこれからどんどん高精細に、様々な可能性が秘めているが、今回それをとてもプリミティブに活用している。
カメラの置き位置はできるだけ被写体とカメラの間においてみた。展示会場ではゴーグル型のヘッドマウントディスプレイで体験できる
2018年12月号
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