boid社長・樋口泰人による6月11日~20日の業務日誌ときどき映画&音楽&妄想日記です。今後の企画の打ち合わせの日々。体調不良を脱出しようと早起きを試みたり。それでも回復しないまま観たポール・ヴァーホーヴェン新作『エル ELLE』の話など。

文・写真=樋口泰人
『PARKS パークス』の公開もひと段落付きいろんなことが落ち着き始めて今後に向けていろんな準備が始まったのだが、だが実際のところ落ち着くことはなく、準備は始まりということで思っていたことの半分もできない。自分としては思っていたことの半分もできない、というところを前提にすべての予定を立てているつもりなのだが、実際にはさらにその半分もできない。というところを前提にさらに半分の予定を立てて、というのをこの20年ほど繰り返し続けている。ということはもうほとんど何もできないということなのだが、まだ現実には、「半分もできない」という思いが続く。つまり、欲望も毎回倍増し続けているということなのか。実は何も諦めていないのか。自分は大人げないだけなのか。ふと不安になる。
6月11日(日)
実家からさくらんぼが届く。実家の知り合いのさくらんぼ生産者がギリギリまで収穫を遅らせたほぼ完熟状態でのお届け。市販のものとは全然違う。

『ドリーム 私たちのアポロ計画』という映画の邦題が、ファンたちの抗議で『ドリーム』に変更になったというニュース。実際にはマーキュリー計画の話らしいのだが、わたしは未見なのでそれに関しては何もわからないのだが、個人的には、タイトル変更する必要はない、という立場である。変なタイトルの映画は、映画を観た後にどうしてそのタイトルになったのかを考えるのが楽しいわけだから、そこにまで「民意」を反映させる必要はないのではないかと、そんなことを思う。もちろん、実際に映画を観たら「どうしてマーキュリーじゃなくてアポロなんだよ」と怒っているかもしれないのだが、だからといってそれでタイトルを変えてほしいとは思わない。でたらめでいいと思っているわけではないのだが。
ただ一方で、こういったタイトルの決め方も面白いのかもしれないと思う気持ちもある。AKB48みたいに投票とかやってタイトル決める。前売り券買った数で投票ポイントを獲得できて、みたいな。というのは極端すぎるが、映画の公開、ということをこれまでと違うやり方で押し広げていく方法のひとつになるのではないか。たとえば大寺がやっているようなこともそのひとつの現れだと思えるし、『アメリカン・スリープオーバー』や『キングス・オブ・サマー』の公開のされ方とか、これまでとは明らかに違うやり方での映画の公開が、身近な場所からすでに始まっている。そんな動きとこの出来事とをうまくつなげていけないものか。
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