boid社長・樋口泰人による7月1日~10日の業務日誌ときどき映画&音楽&妄想日記です。初開催で大成功となった名古屋での爆音から東京は丸の内ピカデリーでの『ブレードランナー』爆音までの10日間。その間の「アナログばか一代」での湯浅学さんによる手回しSPは新たな発見ともなったようです。その一部を動画でも紹介しています。
文・写真=樋口泰人
暑くなると我が家の真空管/トランジスタのハイブリッド・アンプの調子が悪くなり、というかコンデンサの部分が熱を持ちすぎて、調子が最悪になる。余裕があるとそんなアンプをなだめながら音楽を聴くことになるのだが、7月はまったくそんな余裕がなかった。ひどいものである。レコードもほぼまったく買えない状況。こんなことになるとはまったく思っていなかった。まあ理由はいろいろあるのだが、基本的には自分に不向きなことをやりすぎているという自業自得とも言える問題。自分のことさえまともに管理できないのに、いろんな人への連絡ができるはずがない。気がつくともっと早くしておかねばならなかった連絡がズルズルと後回し。メールもまともに見られなくなっていた。これは過去形ではなく現在進行形。それらの作業自体は全然大したことじゃなくて、普通の人が見たら呆れるようななんでもないことなのだが、できないものはできない。我慢してやり続けてもろくなことがないので、これからも積極的に他人に迷惑をかけようと思う。それでも付き合ってもらえるかどうか。というのはお子ちゃまな考え方で、わたしはこれができないのでやってもらえませんかと、ちゃんといろんな人に役割を振ることを覚えなければというのが大人なやり方である。
7月1日(土)
木曜日、金曜日と2日連続で朝まで爆音調整をやった疲れが出て、胃腸の状態がひどいことになった。爆音本番の方はすでにチケット完売しているのがほとんどなので、とりあえず安心して夕方まで寝込んだ。天候も荒れ模様だった。夜はオアシスの調整をやった。この作品は、ロードショーでご覧になった方はわかるように、曲によって全然音質が違うし、ふたりのボーカルの声の質も違い、全体が不安定極まりない。爆音にしたらその不安定さが増幅されるのは当然で、丸の内ピカデリーの爆音上映の時も苦労したので覚悟はしていた。ただ、どの曲に合わせて調整したら全体がうまくいくかの目安は立てていた。いつもは最初から順番に調整していくのだがこの日は、最後の方の某曲から。この曲が最高に聞こえれば前半の不安定さには目を瞑れる。そんな覚悟もあったのだが、やって見たらこれがうまくいった。前半の不安定さも、これなら問題なしというくらいに十分解消された。明るくなる前にホテルに戻ることができた。
読者コメント