
文・写真=VALERIA 小倉聖子
2015年11月14日(土)より1週間、角川シネマ新宿にて開催された「ポーランド映画祭2015」に合わせ、監修を務めるイエジー・スコリモフスキ監督が来日した。監督が日本に来たのはこれで7度目になる。初めて日本に来たのは『出発』公開時、その後は『アンナと過ごした4日間』、『エッセンシャル・キリング』公開前のプロモーション、そして「ポーランド映画祭2012」の開催から毎年この映画祭に合わせて来日している。
今回の映画祭では短い日程だったのだか、初日『イーダ』上映後に開幕挨拶、自身の処女作『身分証明書』の上映後にトークを行った。監督は、「私の11月のカレンダーに、日本で過ごす1週間の予定を予め入れておくという習慣ができてから、もう何年にもなります。今後も11月半ばは日本のために捧げられるように願っています。また毎年日本に戻るたびに喜びを感じています。私の作品を愛好してくださる方が増えて、"家路の会”という愛好会ができていると聞き嬉しく思います。きっと、『イーダ』の監督の会や、他のポーランド人監督の会も今後できてくるのではないでしょうか」とファンへの感謝と今後のポーランド映画界への期待を述べ、パヴェウ・パヴリコフスキ監督の『イーダ』が本年度のアカデミー賞外国語映画賞を受賞したことを受けて、「これが最後ではないと信じていいます。来年(2016年)のアカデミー賞外国語映画賞のポーランド代表作品に、私の最新作『11 Minutes』が出ます。来年にはこのポーランド映画祭で皆様にご覧いただきたいと思います」と語った。
自身の新作『11 minutes』について、「本作では、様々な登場人物の11分を様々な角度から描き、同じシチュエーションの同じストーリーが繰り返し描かれ、多様なモチーフが登場します。最終的にそのモチーフが集結し、劇的なクライマックスを迎えるという作品です」と説明。最後に、今後の創作活動について尋ねられると、「ひとつの作品に集中して取り組むタイプの人間なので、今私の頭の中は空っぽの状態です。しばらくは絵を描くことに集中したいと思います」と話した。
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