boidマガジン

2017年02月号 vol.3

樋口泰人の妄想映画日記 その28

2017年11月10日 16:22 by boid
2017年11月10日 16:22 by boid

boid社長・樋口泰人による業務日誌ときどき映画&音楽&妄想日記。『PARKS パークス』の上映に関する打ち合わせがまだまだ続き、たまの空き時間に映画を観ようと思っても観たい映画は満席で、致し方なく向かうはやはりレコード店。そうして買ったレコードのことや、今夏公開のレジデンツのドキュメンタリー映画の邦題決定のいきさつなどが記される2017年1月21日~31日の日記をお届けします。




文・写真=樋口泰人


 とにかく気力体力が最低の1月下旬だった。いつ倒れてもいつ逃げ出しても不思議ではない日々が続いた。よくまあやり過ごしたと、我ながら思う。まだ過去形にできるほどの余裕は全くないのだが、あれこれと面倒なことばかりが続いた。自分の楽天性に感謝するほかない。というか、その楽天性が呼び寄せた災いでもあるのだが。とにかく未だかつてこれほどひどい10日間はなかったと思う。と毎回言っているような気がする。


1月21日(土)
ベルリンから一時帰国中の明石政紀さんに会う。西荻某所にて。1年ぶりくらいか。毎年の恒例行事でもあるのだが、お互いもういい歳なのでいつまでこういうことができるのかどうか。毎年、病気の話やら健康の話やらが増えて行くような気がする。今年はboidも共同で買い付け公開するレジデンツのドキュメンタリーのことなど。明石さんは32年前の初来日公演の際の関係者のひとりなのだ。60年代末あたりが活動の最初となるレジデンツの中の人たちは、入れ替わっていないとしたら我々よりさらにひと世代は上であるから、さすがに今回の3月の来日は貴重な機会、ということになるだろう。ドキュメンタリーの方は、夏くらいに公開予定。レジデンツが生まれた背景への視界が広がる作品。これを観たら、レジデンツというバンドが奇跡のようにして生まれたのではないことがわかる。偶然ではなく必然。でもその必然が奇跡であるような必然といったらいいか。一瞬と永遠が交錯するその交差点に立つドキュメンタリー。
しかし西荻のガード下飲屋街は高円寺とはまた別のアジアな風景であった。

 

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