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2016年01月号 vol.4

大音海の岸辺 第24回 Part1 (湯浅学)

2016年01月30日 13:30 by boid
湯浅学さんの大著作集『大音海』の出版を目指し、そのイントロダクションとして湯浅さんの過去の原稿に書き下ろしの解説を加えて掲載しております「大音海の岸辺」。今回は前回に続き、90年代前半に『ミュージック・マガジン』で湯浅さんが毎月執筆していた「ラップ/ハウス」欄のレビューをお届けします。92年8月号から93年4月号までの計14ヶ月分、4ページと大容量ですが、ゆっくりお楽しみください。まずは92年8月号~10月号のレビューからどうぞ。

ウルトラ・マグネティックMC’s『ファンク・ユア・ヘッド・アップ』



ラップ/ハウス レヴュー


文=湯浅学


※アルバムタイトルがアーティスト名と同名の作品、もしくは、コンピレーション作品はアーティスト名を省略。各レヴューの末尾の数字は10点満点中の点数。(V)=ヴィデオ作品


ウルトラ・マグネティックMC’s『ファンク・ユア・ヘッド・アップ』
 ブロンクスの顔役的なグループの久々の新作。なめらかさなどまるでない。ひずんだ音が多数交差する。しかも基本的なサウンドが重いのだから、よけい説得力は増す。全体の空気はとても殺伐としているようで、とても密度が濃い。これはかなりの傑作だ。(9)

2パック『ツパカリプス・ナウ』
 映画『ジュース』に主演して一躍有名になった、デジタル・アンダーグラウンドの一員のソロ・デビュー作。シリアスで、多少演技過剰なところもなきにしもあらずだが、充実した作品が揃っている。音作りはスッキリしているが、腰が入っている。(8)

ロウ・フュージョン『ライヴ・フロム・ザ・スタイリトロン』
 これもデジタル組。マネー・BとDJ・フューズによるユニット。音の構造はとてもしぶとく粘着質。ファンク度がかなり高い。ラッピンはさほど鋭い感じはしないのだが、これまたとぼけたシリアスさを持っている。(8)

オーガナイズド・コンフュージョン『O・K』

 クイーンズのジャマイカ地区出身の2人組。妙な詩心を持ったライムと、心にくいR&B臭フュージョン臭あるサウンドとのマッチングがたいへん興味深いもの。芯はなかなか落ち着いた趣を持っている。快作。(8)

ファム・リー『ランズ・イン・ザ・ファム・リー』
 故グレン・ゴインズの甥の4人兄弟グループ。ニュー・エディションというよりもジャクソン・ファイヴに近い。いなたさが拙さをカヴァーしてあまりある。ラップは上手なほうではない。(7)
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