boidマガジン

2017年06月号 vol.4

特別寄稿 沖縄タコス(虹釜太郎)

2017年06月29日 17:41 by boid
音楽レーベルを主宰し、『カレー野獣館』、食イベント「ダイナマイト丼DON」、ハーブドリンクバーパリペキン、薬草酒バーテンをされてる虹釜太郎さん、boidマガジン初登場です。先日、沖縄タコスだけを食べるためだけに沖縄を訪れたとのことで、特別寄稿していただきました。縦横無尽に食から食へと渡り歩きながら独自の食の探求へと誘ってくれます。もちろん沖縄タコス屋さんについても。




文=虹釜太郎


ひさびさタコスだけを食べるために沖縄本島に行ってきた。むじ汁専門店と珈琲は深煎より浅煎だと教えてくれた市場内珈琲スタンド(台湾珈琲豆と浅煎試飲推奨)と一番餃子と24時間営業スーパーでの定番沖縄にわかごっこと石垣島でも定番だったかめせんチャージと沖縄コンビニ定番ルイボスチャージと沖縄唯一のミャンマー料理屋(この店だけがミャンマー人たちが家庭では日常的に食していながらも日本のミャンマー料理屋では決して出すことはないとある料理の秘密について教えてくれたところであり、高田馬場に三十軒近く存在するミャンマー料理屋でもそれはきいても教えてはくれない。それがなにかもここでは言えない。今回店の前を五度横切るもタコスを優先し行けず)とアイスクリン総本山と沖縄てんぷらぶらぶらと安里市場めぐりとジンベイザメチャージとマナティ睡眠シーン観察以外は全部タコスの時間だ!
といっても十分寄り道してる気もしたが、特にマナティの睡眠シーンには驚かされた。二頭同時睡眠であり、欺瞞だらけのパンダのタイヤごっことは比較にならず、モンハンでのジャギィ夫婦の憩いシーンより癒されるものがあり、何より現実の生き物とは思えない睡眠の様。もともとあらゆる生き物の寝ている姿はかわいいはずだが、マナティのかわいさは動画などではそのかわいさの果てしなさいとおしさはまったくわからなかった。かつてのセーラーたちもマナティのあの顔でなくあの動作にやられたのかと。いやあれはジュゴンか。あらゆる生き物の寝ている姿がもっともっと憎らしければ地球もまた違った世界になっていたはず。しかしそれでもあらゆる生き物の寝ている姿が醜すぎる世界を自覚して生きようという者もいる。トリアーやウエルベック。あらゆる生き物の寝ている姿は滑稽過ぎるはるか手前というのがソロンズ。あらゆる生き物の寝ている姿はとってもかわゆいから脚本でっちあげましたというのが日本映画…
でマナティ。気をつけないと寝ているうちに浮かんじゃうよ!ということで本人たち必死にひれを畳み込んでは頭を必死に底につっぷしている。しかし実際の海ではマナティどのように寝ているのか。そもそもあらゆる海洋生物の睡眠の実態はどうなのか。それだけの十時間映画があってよいような気がする。いやあるべきだ。バイオロギングより睡眠ログ。
マナティといえばキャベツであり、実際のマナティのぬいぐるみにもキャベツはセットされている。
そしてタコスにはキャベツでなくレタスである。なのに先日初沖縄ツアーをした音楽家北村早樹子はタコスにはキャベツ…とレポートしていた。タコスにはキャベツかレタスかは、Yahoo知恵袋でも、レタス高いんでキャベツで代用してよいですかという釣り。キャベツでよいわけなかろう。ではお好み焼きをレタスでよいのか?
というわけで沖縄から戻ってきてやってみました。レタスお好み焼き。
ただたんに水分駄々漏れの歯切れのまったくないアンニュイなおばはんのすきっぱのような味になっだけでした。このレタスお好み焼きの味から思い出すのは、お客があまりに来なすぎるおばはん経営のとあるお好み焼き屋が心機一転お好み焼き屋某名店で修行して客足は盛り返すどころか超多忙も今は昔…店の掃除を見事怠って緊張感もまったくなくなって店はまたも閑古鳥なだめだめな昼過ぎ突然みのさん抜き打ちチェックでただれたテヘペロかましたおばはんのあの表情である。またレタスお好み焼きのこの味は、いまは店内飲食が不可能になり残念ながらテイクアウト専門店となってしまった宜野湾のキンタコ(キングターコス)近くに存在したメニュー数が尋常でなく理不尽なまでに多かったタコス屋さん(タコスメインの洋食屋と言えばよいでしょうか)なっちゃんのライスタコスのふにゃふにゃなあの水っぽさときんきんに冷えた冷房のミスマッチを強烈に思い出させる。しかしなっちゃんはもうない。ちなみにお好み焼きの具で最近やったのでレタス以外でもっとも歯がゆかった三大具は蒸しパンと戻しすぎの麩とマッシュポテト。しかし蒸しパンはもうどうにも処置できないとはいえ、麩お好み焼きは戻しすぎ麩ではてなくだらしないとはいえコーレーグースを大量にぶっかけることによりこんなおつまみもありとして見事蘇生、マッシュポテトお好み焼きは冷やして翌日食べればキッシュの失敗と思い込むことも可能。マッシュポテトお好み焼きはチャンプでやってもよい。チャンプとは牛乳とエシャロットを混ぜたマッシュポテト。しかしお好みにエシャロットやて!はんっ!という黒門市場のおばはんの作る紅しょうが天に敬意払いチャンプお好み焼きには今後紅しょうが天刻みもまとめてぶちこんでおこう。なおお好み焼きの仕上げに青海苔の代わりにマジョラムを大量に使えばチェコお好み焼きに。チェコのあのすばらしいブランボラーク。大大大好きなブランボラーク。あれも仕上げはマジョラムだ。お好み焼きの仕上げに青海苔でなくマジョラム。ソースもマヨも使わずたっぷりのマジョラムと岩塩でどうぞ。なお自分がいままで試したハーブのなかでもっともお好み焼きにあわないと思ったのがペパーミント。しかしこうすればペパーミントお好み焼きはまじウマくなる!というレシピは世界のどこかにはあるはずである。ご存知の方はぜひ教えてほしい。おねがいします。
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