世界中のアニメーションの評論や上映活動を精力的に行なっている土居伸彰さんの連載「Animation Unrelated」第32回は、前回に引き続き3月にアメリカを訪れた際のお話。土居さんが西海岸にあるバークレーの次に向かったのは中西部の大都市シカゴでした。シカゴに住む2人のアニメーション作家、アレクサンダー・スチュワートとクリス・サリバンが教鞭をとる大学の授業や上映会に招かれた土居さんが彼らとの交流を通して考えたこととは――

クリス・サリバンと彼の飼い猫



大きなアメリカの小さなアニメーションの話


文・写真=土居伸彰


 3月に行ったアメリカ出張、前回書き逃してしまったシカゴでの話を。

 GLASアニメーションフェスティバルでバークレーを訪れた後(この映画祭については前回の連載を読んでください)、シカゴへと飛んだ。GEORAMA2014で上映した『コンシューミング・スピリッツ』の監督クリス・サリバン。彼は長いことシカゴ美術館附属美術大学で教授をしているのだが、彼の所属する学科が毎週木曜に開催している先鋭的な映画の上映プログラム「Conversations at the Edge」で日本の現代のインディペンデント・アニメーション作品の特集を組んでくれることになったからだ。

 初めて訪れたシカゴは面白い街だった。街中が摩天楼というか……都庁前~西新宿あたりの高層ビル街が延々と続くイメージ。見上げて歩いてしまうので首が痛くなる。シカゴは、バットマンの舞台ゴッサムシティのモデルになったらしいのだが、頷ける。一際目立って聳え立つのはトランプタワー……トランプとはもちろん、あの大統領候補のドナルド・トランプ。彼が建てたこのビル、アメコミの「悪」のイメージそのまんまというか……(あまりにモニュメンタルで、彼が多くの支持を集めてしまう理由もなんだかわかってしまう気がした。)街の中心には3、4階くらいの高さに高架鉄道が走っていて、これはまさに『ブルース・ブラザーズ』の世界。シカゴといえばマフィアの街でもある。イタリア系移民も多いので、イタリアンもそこそこ盛ん。だが電車の券売機は英語と並んでポーランド語もあって、ポーランド系の人たちが多いのだろうか。スペイン語併記というのは他の街でも見るのだけれども。(いま調べてみたら、シカゴのポーランド系住民の数は、ワルシャワの人口より多いそうだ……)

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