世界各国の音楽を発掘・収集するユニットSoi48が、微笑みの国=タイの表と裏を紹介する連載「微笑みの裏側」。4月に出版した『TRIP TO ISAN : 旅するタイ・イサーン音楽ディスク・ガイド』は、実際に旅行ガイドとしてイサーンへレコード探しをした人がいたり様々な反応があるようです。中でもこれまでモーラムとルークトゥンのジャンルへの理解違いがあったとの感想が多いようで、今回は改めてイサーン音楽の基本、そのジャンルについて解説してくれています。
文=Soi48
『TRIP TO ISAN : 旅するタイ・イサーン音楽ディスク・ガイド』出版後の反応
4月8日に出版した『TRIP TO ISAN : 旅するタイ・イサーン音楽ディスク・ガイド』の重版が決定した。おかげさまでラジオ、雑誌などの様々な媒体で本が取り上げられ、僕たちSoi48のインタビューも掲載され、確実にタイ・イサーン音楽の露出は増えている。今回、発売から3ヶ月経った現在の本の反響を分析してみたい。まず、嬉しいのはタイ音楽に興味を持った人が確実に増えてきていることである。CD量販店ではSoi48が監修しEM RECORDSから発売しているタイ音楽再発シリーズが面出しで陳列されているし、新たにタイのオリジナル盤レコードを集め出すコレクターも出てきた。タイ音楽は中毒性が高いので一歩踏み出せばきっとのめり込んでくれる人が増えていくと思う。あとは僕らがタイ音楽を紹介する活動を継続できるかどうかだ。
レコードや音楽面ではなく、Soi48的旅行面である”TRIP TO ISAN”を体現する人物も現れた。僕らの仲間stillichimiyaのDJ、トラックメイカーであるYoung-Gである。Young-Gはディスクガイドとポータブルプレイヤーを片手にイサーンにレコード探しの旅に出かけた。地元の人と触れ合って、見事大量のモーラムとルークトゥンのLP、7インチ、カセットテープを掘り当てたのである。イサーンを旅行するYoung-Gとインターネットでやりとりしていたがとにかく楽しそうであった。インターネットを使ったオークションサイトやレコードディーラーとのやりとりとは違う楽しさにYoung-Gも夢中になったに違いない。旅をしながら気長にレコードを探す楽しさはお金では買えない。僕らが伝えたかった旅の楽しさ、レコードを買う楽しさを共有出来る仲間ができてとても嬉しくなった。レコードの価値とレア度だけを自慢するディスクガイドにしないで良かったと感慨深い気分になった。
2018年12月号
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