
文・写真=桜井鈴茂
前回は、おれはウツなどではなく別のビョーキなんだろうか、というようなオチで……いや、ちっともオチてはいないんだろうけど……本エッセイを締めた。なので、今回は、その、自分でうすうす思うところの「ビョーキ」の一症例を吐露しつつ、皆さんに問うてみたい。おれはやっぱビョーキなんすか、と。「桜井、それはもう、カタカナで『ビョーキ』と書けるような呑気なものではなく、立派な『病気』だぜ。とっとと病院へ行けよ」みたいなことを言われるんじゃないかと、吐露する前からいささかビビっているのだが。あ、あと、暴言の類いも含まれると予想されるので、暴言が苦手な人、暴言に対する免疫がない方は、ここでパスしてください。さようなら。
じつは……。じつは、歩行者用の信号が青に変わるのを、みんなして、ぼんやり、ないし律儀に、待っている、という、(日本では)とてもありふれた光景が、じつは気持ち悪くて仕方がないのである。今、念頭に置いてるのは、車がびゅんびゅん通る片側三車線とかの幹線道路での光景ではなく、ほんの数メートル、10歩かそこらで渡り切れる道路、かつ、左右を見渡しても車の往来はまったくない、という状況での光景だ。誤解なきよう、最初に言っておくけど、この「みんなして」というのが、どうにも気持ち悪いのだ。もちろん「みんなで渡ろうよ」と言いたいのでもなく。
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