小説家・桜井鈴茂さんによるエッセイ連載「サバーバン・ブルーズを蹴散らしながら」第18回です。前回の連載の最後に明かされていたとおり、7月に2週間ほどスペインに逃げていた桜井さん。とても楽しい旅だったようですが、スペインの市街地や観光地を巡るなかで、いくつか気になったことがあったそうで――

文・写真=桜井鈴茂
7月の前半、2週間ばかり、スペインへ逃げてきました。
なので、めっちゃ楽しかったよ、街並みの美しさにはうっとりしちゃうし、御飯もいちいち美味しくて、ビルバオのロック・フェスは最高、イギリス人のゲイにナンパされちゃって……みたいな話はいくらでもできるのだが、ここでそれをしても仕方がないので、いや、仕方がないことはないだろうけど、そういうのは飲みの席とかですればいいことだし、実際、帰ってきてから会う人会う人に嬉々として(あるいは求められて)そんな話をしてしまい、我ながら少々飽きてしまったので、まあ、スペインネタには違いないけれども、世に文句を垂れ流す本稿にふさわしい、また、結果的に社会批評的な側面をも有するはずのboidマガジンにもふさわしいのではと思われるトピックをいくつか。
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