boidマガジン

2017年06月号 vol.3

微笑みの裏側 第17回 (Soi48)

2017年06月23日 16:49 by boid
世界各国の音楽を発掘・収集するユニットSoi48が、微笑みの国=タイの表と裏を紹介する連載「微笑みの裏側」。今回は7月に再発リリースする女性ルークトゥン歌手プムプワン・ドゥワンチャンについて。彼女の壮絶な人生もさながら、タイ音楽業界のイサーンVS中央タイ構造も踏まえてその音楽の魅力を紹介してくれています。




文=Soi48


プムプワン・ドゥワンチャン


タイで一番有名な女性ルークトゥン歌手は誰か?という問いにおそらく一番多く回答が挙がるのがプムプワン・ドゥワンチャンである。30歳という若さで亡くなり伝説の歌姫と呼ばれた女性歌手である。そんな彼女のCDの再発をSoi48が手がけることになった。音楽的な解説は7月に発売されるライナーを読んでもらうとして、今回boidマガジンではプムプワンという存在について分析してみたいと思う。プムプワンはワールドミュージック・ブームの時に日本でも人気だった歌手の一人である。音楽雑誌でも紹介され、日本のWAVE、タワーレコード、ワールドミュージック専門店といったCD・レコードショップでも流通、販売されていた。この頃の資料を読んでみたが、プムプワンの魅力について書かれていることはどれも同じようなことばかりである。

・歌が上手い
・タイで一番有名な女性歌手
・貧しい家庭で生まれ育って教育を受ける機会がなく、文字が読めないのにもかかわらず、有名歌手となり成り上がったが若くして亡くなった悲劇の歌姫
・男運が悪い

こんな話ばかりである。プロデューサー、バンドなど楽曲面について書いているものがほとんど無かった。こんな時一番頼りになるのが前川健一著『まとわりつくタイの音楽』である。Soi48もタイ音楽を掘る際に大変お世話になったこの本のいい所は、自分は音楽ライターではないと豪語する前川氏が自分の意見、感想を好き勝手書いている所である。この当時、アジアの音楽と向き合う時、現地で聞かれている大衆音楽、流行しているものが最高という風潮がワールドミュージック・ファンの間であった。そういう聴き方をするのならこの当時の邦楽で言えば、大黒摩季、B’zなんかを同等の存在としてなんで評価しないのか?とツッコミを入れたくなるのだが、とりわけアジアの音楽に関してはその土地で流行しているものが正しいとされた。そんな中『まとわりつくタイの音楽』では前川氏が自分が聞いていいと感じた楽曲は良い、現地で流行していてもピンと来ないものには理解できないと書いてある。こう言った率直な意見が書かれている本は少ない。

プムプワンの映画『MOON』予告編






プムプワンのコンサートの様子

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