boid社長・樋口泰人による業務日誌ときどき映画&音楽&妄想日記です。東京で『DARK STAR/H・R・ギーガーの世界』初日立ち会いや『PARKS パークス』イベント、アナログばか一代、『ダンケルク』公開記念ノーラン特集爆音上映、コミュニティシネマ会議と過密スケジュールの中、宮城県利府市も訪れた9月1日~10日の日記です。

文・写真=樋口泰人
夏休みが終わると一気に日常が始まる。8月にできなかった事務作業を片付ける間もなく、いくつものイヴェントや、その後の準備。さすがにこれでは身体がついていかない。歳のせいなのか、仕事が無茶すぎるのか。まあ、両方、としか言いようがない。生活と仕事のペースを変えていかねばと毎度のことながら思う。何度も繰り返し思っているうちに、変わるための下地のようなものができてこないだろうかと都合のいいことを考えている。まあ、早くご機嫌なご隠居状態に入りたいということだけなのだが。すべて歳のせい、ということであらゆることを適当にぶっちぎることができたらこんな素晴らしいことはない。いずれにしても普通の人にとったらまったくたいしたことはないはずの連絡と確認作業のおかげで、病気はさらに進み、仕事はまったく捗らない。
9月1日(金)
記憶なし。
9月2日(土)
疲れ果てていた。昼はさすがにぐったりしていたと思う。というか寝込んでいた。夜はまず吉祥寺に出向き『PARKS パークス』の再上映初日に立ち会い、それから渋谷。『DARK STAR/H・R・ギーガーの世界』のヒューマントラスト渋谷での初日。30分前に劇場に着くと若者であふれていて驚くが、すぐに『パターソン』の観客たちであることが判明する。そんなものだ。ギーガーはフロア違い。だがこちらもまあまあの人だかり。予想を超えていい感じである。ビニ本のように中身を見ることのできないようにビニールで封をされた2000円のパンフを、結構な人数の方たちが買ってくれていた。ファンはありがたい。

受付で、昔の映画のパンフレットを売っていた。『パターソン』上映中とあってジャームッシュ作品のパンフがいくつか。確かこれらのシナリオ再録やっていたのではなかったか。フランス映画社には本当にお世話になった。柴田さんはお元気だろうか。当時の映画の状況も事情もまったく分かっていない門外漢でしかなかったわたしをニコニコしながら使ってくれた柴田さん、川喜多さんがいなかったらboidもなかった。また、日本の小さな配給会社にも、わたしのような者を遊ばせておく余裕があった。バブルの恩恵などまったく感じたことはなかったし常に貧乏の極地を綱渡りし続けてきたのだが、しかし、それでも、あの頃仕事がギリギリできたのはバブルのおかげだったのだと、今振り返るとそんなことも思う。そしてそれにまつわる企画も抱えているのだが、そこまでまったく手が回らないのは、やはりちょっとどうかと思う。妄想を膨らませる時間というか、気力がない。

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